対談/vol.3

しょくスポ対談

vol.3 多米 裕里 さん

今回のゲストは、「第7回食育アドベンチャー®」ワークショップで講師を務めてくださる多米裕里さんです。これまでに多くの女性をプロデュースしてきた多米さん。彼女の手にかかれば外面だけでなく、内面までも美しくさせてしまう、まさに美のスペシャリスト。そんな多米さんの魅力に迫りました!どうぞご覧ください。

多米 裕里(ため ゆり)


日本エステティック協会 認定者/
イメージコンサルタント/メイクアップアーティスト
2003年日本エステティック協会認定エステティシャン資格取得。同年、(株)ラティアクリエイツ フィットアロマセラピー指導者コース終了、シュウウエムラ メイクアップ プロコース終了。
2003年4月 サロン「Rose Lily」設立。
2004年 エコールドクラージュ イメージコンサルタント取得。2006年 腹部3Dリンパマッサージ開始。

プロのエステ技術を気軽に低料金で提供したいとの想いから、お客様の自宅に訪問する「ホームエステ」サービスを開始。クチコミで広がり、多数のお客様グループが出来る。また、サロン開設後は各種エステの他、ダイエット指導、カラー、メイクスクールなどをメニューに加え、ブライダルではドレス選びからエステ、式場への出張メイクまでトータルにサポート。その他「デトックス」「メイクアップ」「スキンケア」等、お客様のニーズに沿ったセミナーを随時開催。従来の“美容”という枠にとらわれずに、女性をトータルプロデュースする“キレイサポート”を展開中。


※プロフィールは対談公開時(200612月19日)の
  ものとなります。

生活の中に共存していた『美しさ』

-私の多米さんに対する第一印象はすごく素敵な方。本当にお会いできて良かったなと思っているんです。
ありがとうございます。私もこばたさんとお会いできて嬉しいです。
-では先ず、多米さんが今のお仕事に就かれたきっかけをお聴かせ下さい。
息子が小学校2年生の頃、知人の化粧品会社社長に、その会社の事務のお仕事を頼まれたんです。その時の私は、子育て、子どものことが一番だったので、家庭が疎かにならない程度に短い時間だけ働く、という安易な気持ちでお引き受けしました。しかしそこの社長が「女性としてもったいない、何かやったらどうかな?」とおっしゃってくださって、チャンスを与えてくれました。そこから化粧品の販売事務を通しながら「もっと女性がキレイであるにはどうしたらいいか」というところに興味を持ち、エステティックの資格を取得し、今の仕事をはじめることに繋がりました。昔から“キレイになること”にはとても興味があったので、自分の中では自然の流れだったのだと思います。
-昔から興味を持っていたんですね。
はい。キレイなものやキレイな人、キレイな景色、キレイな色に興味があって。 
-では学生時代から、できるだけ自分はキレイにしていよう・・・という感じですか?
そうですね。両親の躾で「いつどこで誰に会っても恥ずかしくない自分でいなさい」と教えられていたので。そういう点ではきちんとした服装などを、自然に小さい頃から心がけていました。あと「あんな大人、あんな女性になりたいな」と、そういう女性像を自分の中に作ったりしていました
-“美”に対する意識がやはり素晴らしいですね。
いえいえ、それとやはり私は身長が高いので、猫背にならないよう姿勢に気をつけていました

これはいつも母親から注意を受けていたので。周りからの“見られ方”というのをすごく気をつけましたね。考えてみると、自然と生活の中に『美』が共存していたのかもしれません
-お話を伺っていると、声をかけてくださった社長さんは、誰もに声をかけたわけではないと思いますね。
そうであったらありがたいですね。もし目に留まったのであれば、自分ができる事であれば何かやってみたい、それが一つのチャンスだと思います。              
-ところで、エステティックの資格にはどういう資格があるのですか?
日本エステティック協会認定の資格で、技術は勿論ですが体の中、理論も学科で学びます。その学科の試験が年に2・3回ほどあるのでそれを受けます。簡単に誰もが取れるようなものではないので、やはり理論と技術が両方必要となります。      
-今、全国にいろいろなエステティックサロンがありますが、そちらにいらっしゃる方は皆、そのような資格を持ってらっしゃるんですか?
持っている方もいれば、持っていない方もいます。

いつでも周りの目を意識して

-子育て中の女性ってとかく、母であることは覚えていても、女性であることをついつい忘れてしまったり、ないがしろにしてしまいがちだと思うんです。そういう点で、多米さんご自身はいかがでしたか?
子育て中ですが自分のヘアスタイルやメイクは気を付けていました。自分への時間はとっていましたね。例えば公園に行く時も、少しおしゃれをして行ったり。ですので写真を見て子育てに疲れているお顔の写真はあまり無いですね。
-すごいですね!
家から一歩外に出ると周りの目があるということ、それを意識していました。もちろん子育て中はそんなに派手なことはできないですけど、自分の持っているものの中で色のコーディネートとかをして。今はそれを習って専門にしていますが、当時は雑誌とかテレビを見て、見よう見真似でやっていましたし。ですので子育てに追われ自分のことはさておき、というようなことはなかったですね。
-多米さんはお仕事に就かれたのはお子さんが小学校2年生の頃ですけれど、それまでは「仕事をしたい」というお気持ちはなかったのですか?
なかったですね。子どもとの時間がとても楽しくて充実していたので。また母からの教えにもあって、“つ”がつく年齢※1まではそばにいてあげようと思っていました。だから正社員という形ではなく、空いている時間に働き、子どもが小学校から「ただいま」と帰ってきた時に自分が家にいられるように。がむしゃらに働きたいということはなかったです。
-メインはまず子育て、ということですね。
はい。

-思う存分子育てをされたので、今仕事に打ち込めるんですね。
そうですね。ですので子供に安心感を与えた上で、心置きなく仕事をさせてもらっています。家庭をないがしろに、疎かにしないという主人との約束もあったので。
-でも、お仕事の顔を持ち、母の顔を持ち、妻としての顔を持ち、すべてステキですね。
それはこばたさんもですよ。でも女性って『七変化』ってよく言いますけど、本当にいろいろな顔を持つことができ、その切り替えをするのに必要なのがメイクであったり洋服であったりするんです。

手をかけ暇をかけ、それが今の証に繋がる

-子どもって、もちろんかわいいんですけど大変なことも多くて、特に食事の部分がそうではと思うんですけど。そのあたりはいかがですか?
―そうですね、子どもがお腹にいるときから食事に対しては興味があったし気をつけていました。出来るだけ離乳食も市販のものではなく手作りで、食べられるようになったらおやつも手作り。パンやケーキを習ったりしました。『お母さんが作ったもの』というのを基本的に心がけて。食事は独学なんですが、一汁二菜を非常に気をつけて自分でバランスをとっていました。昔から食に対する重要性はとても感じていましたよ
-ご主人もこんなきれいな奥様に、食事もちゃんと作っていただいて、なおかつ子育てもしっかりしてもらって。本当に幸せですね。
そんなことないですよ。でも生きていく上での食事は大事なことなので、できるだけ手をかけ暇をかけ。そして今こばたさんと出逢えているというのは私にとっては勉強になっています。
-結局何を食べてもお腹は一杯になりますが、心が満たされるかどうかで違いますよね。
そうだと思います。子どもが今6年生なんですが、外の食べ物を嫌がるんです。外のものはくどい、油っぽいというのが子どもながらにして分かるんですね。もしかしたらそういう心がけというか、やってきたことの証なのではないかと思います
-子どもこそ本能で美味しい、まずいが言えますものね。その味に慣れてしまうと食べれてしまうかもしれないですけど。
そういう環境を作るというのが親ですよね。知っている、知らないで子どもの成長って大いに変わってくると思います。そういう点ではすごく大事なことですよね。

お客様がキレイになる、それが自分の喜び

-クライアントの方は、やはり多米さんのようなきれいな方に洋服を選んでいただきたいと思いますし、そう思っていらっしゃる女性は大勢いると思うんですが、女性の魅力を引き出すポイントは?
私の仕事は女性相手で、人の肌を触ることによってその方の性格や想い、後ろにある背景が分かるんですが、まず自信を持たせること、そして笑ってもらうことその日会った方は必ず笑って帰してあげようと心掛けています。どんなに着飾っても笑顔がないとステキには見えないですよね。やっぱり魅力は笑顔じゃないかなと思います。
-一緒です!実は私達のスローガンも『笑顔創造』なんです。
素晴らしいですね!他のものは自分で気を付けていくものだと思うんですけど、笑顔は自然に中から出るものなので、何かに追われていたり疲れていたりすると当然出ないんです。
-エステをしている間、あるいは洋服を選んだりメイクをしてくださるその短時間に、魅力を引き出してくださると思うんですが、その他にもテクニックはございますか?
話術会話力もそうですよね。
-でしょうね。
あとはやはり聞き上手になることです。相手をリラックスさせるのが私の仕事なので。お客様がくつろいだ状態で最高の笑顔を出せるように、とことん話を聴く。それに徹すると相手も心を開いてほぐれていくんです。そうすると自然に笑顔が出ますよ。メイクをしたり何か手を加えればキレイになるんですが、内面の癒しというか、キレイさというのは、そういうことではないか、と思います。お客様の歯が見えた時、私は良かったというふうに思います
-お客様がキレイになっていかれるのを見ていると、やはり多米さん自身も・・・。
はい、嬉しいです。自分の喜びです。女性は心の中で、相手が上に立ったりとかキレイになったりすると「自分だって」という、女性特有の邪心みたいなものが心のどこかにあると思うんです。ゼロっていったら嘘になると思うので。でもわたしはこれを仕事にしている以上、お客様が本当にキレイになっていく、それも自分の手でキレイになっていくのがすごく嬉しくて。自分の作品といったら申し訳ないですが、形になるので、私自身がキレイにならせてもらえます。そういう気持ちで日々送らせていただいております。
-相手がキレイになったことを見ることによって、多米さんにも返って来るわけですね?
そうなんです。よくお客様にお化粧品など「何を使ってるんですか?」と尋ねられるんですが、特別なものは何も使っていないんですよね。ただ人の笑った顔、キレイになっていく姿を見て「自分でよかった」と思う、そこだと思うんですお金じゃ買えないものですよね
-相手の笑顔を導き出してあげて、それが自分の笑顔になるって、すごくいいですね。

こばたさんに初めてお会いした時、笑顔がすごくステキな人だなと思いました。相手が笑ってくださると、それだけで悪い人じゃないと思うし、安心感と親しみが出てきて、「もっと知りたい」という風になるんです。やはり大事ですよね。

少しの変化で変わる世界観

-女性に関わられていく中で、肌を触れられるのでいろいろな部分が見れると思うんですけど、どういう女性が多米さんからみてステキだと思いますか?
年代、環境いろいろなものがあるんですが、やはり“昔の日本の女性”じゃないですけど、一歩引いた奥ゆかしさ、おとなしいだけじゃなく、謙虚さと品格、黙っていてもオーラがあり、落ち着きがあるという、そういうところに魅力や女性らしさを感じます。
-謙虚さは自分の努力で導き出すことは出来ると思うんですけど、落ち着きであったり、品格はすぐ身に付くわけではないじゃないですよね。 
日頃の積み重ねですね
でも女性って日々追われてしまうじゃないですか。でもお話していて分かるんですけど、恋をしているとか、また新聞ですとか、ニュース、本、いろんな情報を取り入れている方は言葉に出てきますので、会話をしていると善し悪しが見えてきますね。あとはTPOにあわせた対応が出来る方というか、内面的な部分もあるんですが、やはり外面的な部分。あとは様々な年代層の方にいらっしゃるですが、背筋の伸びた方。背筋が伸びた方は何か違います。
-じゃあ、まず自分が魅力的な女性になろうと思ったら、背筋を伸ばすこと。
はい、そうです。あごを引いて。背筋を伸びているということはすごく大事な要素になると思います。
-なるほど。きっと、誰でもがすぐに始められることですね。
はい、みんな簡単に。だから少し変えるだけで世界観が変わるんです。背筋を伸ばすことで自分に自信を持つことができます。今すぐにできる事ですよね。
-あとは、先ほどおっしゃっていたように、メイクをしてキレイになるとか、キレイなものを着るとか。エステでキレイにしてもらうとか。自分に自信が出るので背筋が伸びてくることもあるのではないでしょうか?
私のサロンにうつむき加減で入られてきたお客様は、帰りは必ずみなさん胸張って、「ありがとう」と言って自信を持って帰られるんです。後ろ姿がビシッとしています。お客様を見送るその瞬間、「よかった」と自分も誇れるんです。

“今、自分がどうありたいか”

-ところでメイクもそうですし洋服もそうですが、『自分に似合う色』と『自分が似合うと思い込んでいる色』って違いますよね。
全然違いますね。
-その差をなくす方法ってありますか?
ご自分の家を見渡すと良いと思います。家の中は外と違って自分の作る空間、そんな所にいろんな色がはびこっていると、たぶん自分自身も落ち着かないと思います。だからこの部屋はこの色でまとめるとか、そういう色の配色を少し考えてものを置いたりすると良いと思います。詳しい知識という訳ではなく、例えば青のところにオレンジをもってきたら落ち着かない、とか。そうやって周りを見るということ。まずは自分の生活する場を片付けてみるだけでも、色は見えてきますよ。
-私たちは食事に関するお仕事をさせていただいていますが、同じ料理でも器だったり、ランチョンマット一つでまったく異なるんですよね。色の持つパワーというのはすごいですよね。
目に入ってくるものってすごく大事なんですそれは食事であったり、顔であったり、服であったり。だから“見せ方”って大事ですよね。赤だったら暖かいとか、青だったら落ち着く、とか。色のことについて少しだけでも知識に入れておくのもいいと思います。
-メイク一つでも雰囲気代わりますものね。あと髪型でも。
変わりますね。ですので、“今、自分がどうありたいか”

▲多米さんのサロン風景
みなさん勘違いしがちなのが『自分が満足すればいい』と思ってしまうことそうではなく『相手がどうか』。自己満足と相手の見方はやはり違いますから。人が見たときにどう写るか、ということを鏡の前に立った時にでも考えてみていただければと思います。その神経が少し働くだけで全然違います。もちろん1日24時間張り詰めていたら大変なことになるので、自宅ではリラックスする時間があり、でも一歩外に出たら周囲の目があるということを気に掛けて。これは皆さんへのアドバイスです。

誇れるものを曲げない強さ

-お仕事を始めてまだ4年ですよね。でもこれだけの実績がおありで、静岡に住まれていながら毎月東京でお仕事をし、静岡でも口コミでお仕事がたくさん広がって、私自身も多米さんとお会いし、とても魅力的なのでまた今後是非一緒に、という想いが出てきたんですが、そういう風に思わせられる仕事ぶりというのは並大抵の努力ではなかったのではないでしょうか?
いやいや、ここまで流れるままにきてしまって。ただ若い頃は自分中心、自分勝手に生きてきて、その中で挫折などを繰り返しながら人のありがたさ、人への感謝というのをすごくわかる様になりました。まずそれが両親への感謝から始まって、子どもへの感謝。そういう「ありがとう」という言葉が自分の仕事へのパワーになっています。今後これからもっといろんなことをしていきたいと思っているのですが、中でも「ありがとう」や「感謝」という言葉を言うことが、自分のポリシーです
私のコンセプトは3つあって、『かわいらしさ』『エレガントさ』『優しさ』。これが私の仕事をしていく上での、女性の前で見せる大事なコンセプトになっています。どれが欠けても成り立たないですね。
-先ほどおっしゃられていた謙虚さ、品格があり落ち着きがある女性というのは、この3つを持っている方が多いのではないでしょうか。
そうだと思います。例えばブランドにコンセプトがあるように、大事なのはそれを曲げないこと。そうやって年を重ねてステキなおばあちゃん、ステキな女性になれるように。年を重ねることは恥ずかしいことではないので、振り返ったときに「良かったな」と思えるようにしたいですね。皆さんに言われるんです。「おばあちゃんになってもエステを続けてくださいね」って。
-それだけ愛されているってことですよね。
なので、力の限りやっていけたら良いなと思っております。   
-たぶん3つのコンセプトを曲げない芯の強さ、それが多米さんが4年という短期間で今のポジションにつかれている理由だと思います。もちろん小さい頃からの生活の中で身に付いたこともあると思いますが、プラス芯の強さが多米さんの魅力を引き出しているんじゃないかと感じます。
いえ、そういうふうに引き出していただいたこばたさんに感謝します。でもこばたさん自身もポリシーはありますよね?
-そうですね。
だから、どんな職種でも大事なことは曲げないという、ある程度の“頑固”さというのも必要なのかなと、この年になってくると(笑)。   
-同い年ですしね(笑)。
やはりなにか聞かれた時に、その場その場で答えが変わっていくって言うのは申し訳ないことですしね。自信を持ち、自分に誇れるものを曲げない強さっていうのはあってもいいんじゃないかな、と思います。   
-それから最後に洋服選びに関するポイントを一言お願いします。
まずはやはり目で見ることが大事です。雑誌やテレビなど、まずは見ることです。ウィンドウショッピングもすごく大切です。またコツもあるんですけど、そちらについてはセミナーでご紹介できればと思います。

-楽しみです!本日はどうもありがとうございました。
1:“つ”がつく年齢・・・年齢を、一つ、二つ、三つ…と数え、「つ」がつく九歳(ここのつ)までは神の子と言われている。

編集後記

多米さん自身、『かわいらしさ』『エレガントさ』『優しさ』を兼ね備えた女性です。ご質問に対しても、一つ一つ丁寧にお話してくださって、こちらまで暖かい気持ちになれました。「女性に生まれてよかった」、そう思わせてくださる多米さん。今後もステキな女性をどんどんプロデュースしてくださるのではないでしょうか。次回のワークショップでは、そんな多米さんの講義、そして実習が体験できるのでとっても楽しみです!多米さん、これからもよろしくお願いします。 
こばたてるみ

ワークショップのお知らせ

多米さんの色彩学やメイク術、マナーの心得を、実習を交えてご享受頂いた、第7回食育アドベンチャー®ワークショップが終了しました!
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