対談/vol.19
しょくスポ対談vol.19 田嶋 雅美さん誰もが知っているツタヤ、無印良品、吉野家などの大手企業のコンサル業務からベンチャー企業の支援、
9歳で起業、自分の信念を見つける
― いいご家庭で育ったんですね。 そうですね。でも、何が起こるかわからないのが世の中で、9歳の時に建設業の父が亡くなりました。そのため病弱な専業主婦だった母が父の跡を継ぐことになったんです。その頃、子どもながらに自分たちの学費ぐらいは自分で稼ごうと思いました。だけど、最初の雑貨屋でのアルバイトは“子ども”というだけでアルバイト料がとても安かったんです。 これでは、学費も稼げないと思い、自分で考えて、建設業としてフリーで働いている人のために電話の取次ぎを始めました。“黒電話”の時代ですね…当時、1日1万円は稼ぐようになっていました。 ― すごいですね。そのときからずっとお仕事をされてきて、続けていられる秘訣はなんですか? そうですねぇ、秘訣というか9歳の頃から変わらない志があることですかね。裕福な家庭の頃は「活発なお嬢さんね」といわれていた態度が、母子家庭になってからは「お父さんがいないから行儀が悪いのね」と同じ行動も環境が違うだけで反応がガラリと変わってしまったんです。 それはおかしいんじゃないか!と子どもながらに思いました。 この経験から私は『正しい事は正しい!間違っている事は間違っている!と見極め、正しいことは正しいといえる世の中にしたい。』と強く思うようになりました。 今でも、『本質を見極める世の中で、人を育てたい、正しいことは正しいと言える・思える人をたくさん育てたい』と思っています。それがライフテーマですね。 ― お逢いする度に、田嶋さんのそのお考えを強く感じます。そこに田嶋さんの本質があったんですね。 ありがとうございます。母がとても苦労して私を育ててくれたので、経済的な自立をして子育てしていくことが大切だと思っています。女性や若い人たちなどディスアドバンテージの人達が経済的な自立ができるような活動をする事に対しては、すごく応援したいし自分もそうでありたいと思っています。 ― なるほど、女性や若い方への大きな支援は、この志から来ているんですね。
社員教育で大切にしている事― 田嶋さんとお逢いするといつも元気をいただけると感じています。
ありがとうございます。また、社員や大手企業の方も、田嶋さんのことをすごく慕ってらっしゃるのが伝わってきます。
今回の震災により感じる事
ツールとルールとマインド
― 田嶋さんは本当に何でも前向きに考えられる方ですよね。起業した頃もそのようなお考え方だったんですか?
そうですね。まず、私は、成功者や大企業に何かしてもらおうとは思っていませんでした。小さな事でも何か相手に役立つようにと考えています。つまり、小さいながらもまずは自分が“give”することを提案することが重要だと思っていて、例えば、いいなぁと思う企業・社長さんがいたら、そこの社長がまだ気付いてないけど大切なこと、必要なことを調べておいて、喜んでもらうネタをリサーチ・準備しておくんです。そのために大切にしている事は、そこのお店を知ること・企業を知る事・トップの考えを知る事です。お話した時の一瞬の会話でそれがヒッティングするとトントン拍子に話が進んで行く事が多いですね。 ― 相手を納得させられる事を蓄えた状態にしておくんですね。 そう、そのためにしっかり準備をしておくんです。勝てる勝負の時にやらないとね。たとえ商談がうまくいかなくても理由がはっきりわかるのでスッキリします。ダメだった理由は自分に実力がなかったと捉え、他になにがあるだろうと分析しながら何度もトライしてきました。なぜダメだったのかを細かく分析するので、次第に、商談成功率が高くなりましたね。 ― 事後の分析をするかしないかで仕事の成長度合いは大きく違いますよね。
ダメだったときの分析ほど重要です!うまくいった時はたまたまという事が結構ありますから。でもダメだったときには必ず“必然”があります。
― 今のお言葉、とても心に響きました。 ダメだった事を無くして改善していかないと自分の成長はないですよね。このような事は社員に始終いっています。そこはみんなわかってくれていますね。分析をしっかりやるからこそ、われわれが思っている事をクライアントが理解できなかったときに素早く手を引き、次のチャンスに活かそうと考えることができます。 なので、分析力がすべてにかかっているといえますね。分析をしていれば、螺旋階段のように上昇志向で上がることができます。 ― なるほど。行動は全力投球で行いますが、結果が出たときに“よかった”“悪かった”で終わってしまう事って多いと思うんですよね。その後の分析が重要なんですね。
本当に、分析をして見つめなおす時間がすごく必要だと思います。
― 仕事を極める上で大切にしている事はなんですか?
プロとして少なくともお金を頂戴するだけの仕事をする、プロ意識を持つというのを大事にしています。
― 田嶋さんご自身もそうですし、社員のみなさんもそうですね。
そこで大切なのがロジックとパッションと両方です!社員にマネジメントを教えていくのに大切なのは、 “ツール”と“ルール”と“マインド”の三種の神器のバランス。 コンサルタント企業ですから、「最新の武器」と「最新のロジック」でツールとして戦える武器を準備しています。 例えば、最先端のクラウド型のシステム、iPad,iPhoneなどの武器をきちっと社内に定着させるようにしてます。 最強の“ツール”があっても、使う人によって差がでてしまってはいけないんです。だから“ツール”の使い方をカバー出来る“ルール”立てがないと店舗ビジネスがなりたたないんですよ。よくある間違いが、ある程度の事を教えたら、あとは自分で考えてやってみてというパターンです。このような間違いをしないためにも、どのような思考プロセスを踏まなければいけないかを、ちゃんと教えてあげなければいけないんです。もちろん子どもの教育と一緒で全部与えすぎてはいけません。 どのように思考するといいのかという思考プロセスを、教える方法を“ルール化”しないと軸がぶれてしまいます。 では、最強の“ツール”とすごい“ルール”ができたらOKでしょうか、そうではありません。この2つを使おうという“マインド”がないと宝の持ち腐れになってしまいます。 それをなんのために使って、どんな目標を達成したいのか、自分たち・お客さんにとってどんな風に得をして、しかも楽しいのかを含めて全部考えます。最終的には一番重要なのは“マインド”だと思いますが、サービス産業の順番は“ツール”と“ルール”と“マインド”の順ですね。“マインド”から入ってしまうクライアントも結構います。 うちは“ツール”と“ルール”はっきりさせて、それを使い倒す“マインド”を調整していく方針です。 “ツール”・“ルール”の完成度を高めつつ、必ずその中に自分の“意思”がないと働かないシステムを入れるんです。 “マインド”をモチベーションとしていくものでなければいけないのですが、その “マインド”調節するためのキーワードはチームワーク!です。 だからチームの力を認めてもらえるのが嬉いんです。 企業として広がっていくためには、1人が戦って引っ張っていくんではないです。田嶋さんがいるから頼んだでは企業として広がらないですからね。 店舗ビジネスでは、スタッフに「今日の売り上げ、昨日よりも上げたいです。」と全員に言わせると売り上げが上がるんです。スタッフ全員にどうやって、数字を意識させるのかが大切で、これが“ツール”ですね。 営業成績の数値が語っていることを店舗の社員に教えむ事が売り上げを上げるためには大切です。そのためには、すごく分析しています。 カッコイイ分析結果だけクライアントに渡しているけれど、実は水面下ではバタバタ必死になって分析しています よ(笑)。それを見せないで、かっこいい所だけを見せるのがプロですよね。 カッコイイところが見つからなければ、見つけるまで探すという執念が私にはあります! ― 芯が通っていますね。
そうですね、軸はぶれてないですね。
人生の中であと何食たべられるのかを考えると、一食一食大切に食べて行きたい…
― 今度、一緒にゴルフに行きたいですね。
いいですね!あんまりスコアに自信ないですけど(笑)。
― 私もです(笑)。
一番経験があって一番好きなのはダンスですね。 ジャズダンスで表現するのが特に大好きです。本質を見極める世の中にしたい―田嶋さんの今後の夢は何ですか?
本質を見極められる世の中を作ること、死ぬまでかかってもできないけど、死ぬまでやっていきたいと思えることですね。死ぬときに「あ~面白かった。」といって死んで行きたいです。
― この対談記事でみんなも頑張ろうと元気になってくれると思います。
≪田嶋さんが関わってらっしゃるお店≫今日は本当にありがとうございました。 ☆「晴レノ空ノ下」品川港南口店 ☆「アロハテーブル」学芸大学店 ☆「ラ・ベルデ」天王洲店 ☆「玄品ふぐ 五反田の関」 ☆「和風癒処」新宿西店 麻布十番店 中野店 目黒店
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